日経平均
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日経平均の一段高を期待させる「重要指標」の改善
黒田日銀下での「金融政策変更」には要注意
日本株と連動性の高い「重要指標」は改善中だ。だが短期的には「黒田日銀下最後の金融政策決定決定会合」の結果に注意が必要(写真:ブルームバーグ)
今回は、筆者が今後の株式市場を見通すうえで重要と考える点を、短期と中長期の両面で考えてみたい。
日経平均 なぜ「3月の日銀政策変更」は理にかなっているのか
まず、短期的には日銀の金融政策変更に絡む円高圧力に注意が必要だろう。これは3月中にも起こりうる。もう1つは「広義半導体」の行方だ。現在の半導体市場は芳しくないが、最悪期脱出の兆候がはっきりと見え始めている。
筆者は日銀が9~10日の金融政策決定会合を機に、現在のイールドカーブコントロール(YCC)政策を3月中に終了すると予想している。短期金利のマイナス0.1%は不変として、10年金利の操作を終了するだろう(現在は0.5%が上限)。
なぜ3月かと言えば、2022年12月の政策修正(10年金利誘導目標の変動幅を0.25%から0.50%に拡大)がそうであったように市場参加者がYCCの修正を予想しておらず、国債売りの圧力が小さいときこそ、日銀が動きやすいという特性があるからだ。
金融市場関係者の間では植田和男次期総裁候補が金融政策の「点検」を実施し、その結果を踏まえて政策修正に踏み切るという常道を予想する向きが多い印象がある。ただし、これまでのように点検を予告すれば、その途端に引き締め方向への政策変更が織り込まれ、国債売りが殺到するのは自明だろう。
オペ運営の難しさを考えると、予告型の点検が実施される可能性は低いと判断される。仮に点検があるとすれば、それは予告なく行われ、その結果が政策変更と同時に発表される形になるだろう。
この視点を踏まえると3月の政策変更は理にかなっている。3月は黒田東彦総裁の体制において最後の金融政策決定会合であるほか、年度末ということもあり政策変更を予想する向きが少ないことも重要だ。