アメリカ
© Reuters.写真:証券会社の外に設置された電光掲示板に映し出される通行人(2023年4月18日、日本・東京)。REUTERS/Issei Kato/ファイル・フォト
スティーブン・カルプ 記
ニューヨーク(ロイター) – 金曜日、米国株は大幅安で終わり、国債利回りは上昇に転じた。チップ株の急落とまちまちの経済データが投資家のリスク選好意欲を減退させ、波乱の1週間を暗い雰囲気で終える結果となった。
チップ・メーカーがハイテク企業の多いナスダックの重荷となった。
ダウとナスダックは週明けの上昇分を取り戻したが、優良株のダウは名目上の上昇で週を終えた。
台湾のTSMCが主要サプライヤーにハイエンド・チップ製造装置の納入延期を要請したとのロイター通信の報道を受けて、NYダウは3.0%下落した。
経済面では、金曜日に発表されたデータはまちまちで、輸入物価は急上昇し、鉱工業生産は予想を上回り、ミシガン大学の消費者インフレ予想は冷え込んだ。
今週発表された経済指標は、米連邦準備制度理事会(FRB)が来週の金融政策決定会合で主要金利を据え置くとの観測を強め、中央銀行の引き締めサイクルが一巡したとの期待感を煽った。
インディアナ州ハモンドにあるホライゾン・インベストメント・サービスの最高経営責任者、チャック・カールソン氏は、「インフレと金利が低下し、FRBは来年から利下げに転じると考える人々と、インフレはしばらくの間FRBの目標を大きく上回り、したがって金利はより長く高止まりすると考える人々の間で綱引きが起こっている」と語った。
CMEのFedWatchツールによると、金融市場は、中央銀行が来週水曜日の決定発表時にFRB目標金利を5.25-5.00%に据え置く可能性を97%、11月の会合終了時に同金利を維持する可能性を68.5%と織り込んでいる。
「コネティカット州フェアフィールドにあるダコタ・ウェルスのシニア・ポートフォリオ・マネジャー、ロバート・パブリク氏は、「9月と11月に一服すれば、年末の上昇につながる可能性がある。
S&P500種株価指数は288.87ポイント(0.83%)下落の34,618.24、S&P500種株価指数は54.79ポイント(1.22%)下落の4,450.31、S&P500種株価指数は217.72ポイント(1.56%)下落の13,708.34となった。
欧州株は上昇して引け、欧州銀行が利上げサイクルの終了を示唆したことに端を発した上昇を拡大し、週間では上昇を記録した。
汎欧州株価指数は0.23%上昇し、MSCIによる全世界の株価指数は0.63%下落した。
新興市場株は0.33%上昇した。MSCIによる日本以外のアジア太平洋地域の株価指数は0.58%上昇し、1.10%上昇した。
国債利回りは、来週の米連邦準備制度理事会(FRB)の政策会合を前に上昇し、2年物利回りは、制限金利が予想よりも長期化するとの懸念の中、5%を上回った。
ベンチマークとなる10年債利回りは、木曜日深夜の4.29%から4.3304%へと10/32値下がりした。
30年債の利回りは木曜日深夜の4.385%から4.4182%へと17/32の値下がりとなった。
ドルは対世界通貨バスケットでは下落に転じたが、週足では9週連続の上昇となった。
ユーロは0.16%上昇し、1.0658ドルとなった。
日本円は0.28%円安・ドル高の1ドル=147.89円、英ポンドは0.22%ドル安の1.2382ドルで取引を終えた。
原油価格は上昇を続け、供給逼迫と中国経済が力強さを増しているとの楽観的な見方から、3週連続の上昇を記録した。
原油価格は0.68%上昇し、1バレルあたり90.77ドルとなり、93.93ドル(前日比0.25%上昇)に落ち着いた。
金価格は急騰し、グリーンバックの軟化に反対して3週間ぶりの安値から跳ね返された。
0.7%高の1オンス=1922.69ドルとなった。