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スイスの時計販売会社コンパニー・フィナンシエール・リシュモンは木曜日、中国と日本での宝飾品販売の急増が欧州での販売減を相殺し、2023年最終3ヶ月の収益が急増したと発表した。
カルティエやネッタポルテなどのブランドを傘下に持つ高級品コングロマリットは、2023年12月31日に終了する四半期の売上高が、ヨーロッパ以外の世界全地域で売上高が急増したため、恒常為替レートベースで8%増の55億9000万ユーロ(60億9000万ドル)となった。
リシュモンの株価 CFR
リシュモンの増収は、ファクトセットが調査した6人のアナリストによる、2023年12月31日に終わる3ヵ月間の売上高が52.1億ユーロにとどまるとの予想に続き、スイス企業がアナリストの予想を上回ったことを意味する。
リシュモンの売上高が増加した主な要因は、アジア・パシフィック事業の売上高が13%増の20億5,000万ユーロとなったことであり、これは中国本土、香港、マカオの売上高が小売顧客向けの好調な売上に牽引され、25%増加したことによる。
リシュモンのジュエリー事業(カルティエ、ブチェラッティ、ヴァンクリーフ&アーペル)は、時計部門の売上高が3%増の9億3900万ユーロであったのに対し、売上高が12%増の39億5000万ユーロとなり、躍進を牽引した。
ルカ・ソルカが率いるバーンスタインのアナリストは、リシュモンの「重要な宝飾メゾン」の売上高が急増したことで、同社の株価が上昇する可能性が高いと述べた。
ラグジュアリー企業やファッション企業は、世界経済の低迷とCOVID後の高額商品への消費ブームの終焉によって売上が打撃を受け、ここ数ヶ月苦境に立たされている。
一方、リシュモンは、時計や宝飾品の販売に携わっていない企業の売上高が1%減少し、7億200万ユーロとなった。
とはいえ、1988年に設立されたチューリッヒの上場企業は、小売顧客向けの売上高が11%増の39億4,000万ユーロとなる中、小売部門全体で大幅な増収となった。
この小売売上高の増加は、オンライン・チャネルの売上高の減少を相殺し、事業全体では5%減の3億5600万ユーロとなった。一方、リシュモンのホールセール事業の売上高は4%増の4億4900万ユーロとなった。
ジュネーブに本社を置くリシュモンは、日本での売上高が最も急増し、18%増の5億1400万ユーロとなった。
アジアでの売上増は、ヨーロッパでの観光客消費の落ち込みによる3%減の12億2,000万ユーロの売上を相殺した。
米州の売上高は8%増の13億5,000万ユーロ、中東の売上高は10%増の4億4,900万ユーロとなり、欧州の売上高減少を相殺した。