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2024年 11月 23日 土曜日

さらに伸びる日経平均、バブルとの違い 投資資金残すためにも減税を ケント・ギルバート ニッポンの新常識

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日経平均

日経平均 さらに伸びる日経平均、バブルとの違い 投資資金残すためにも減税を ケント・ギルバート

日経平均 ニッポンの新常識

史上初の「4万円超」は日本経済復活のチャンスだ

東京株式市場で4日、日経平均株価は終値で初めて4万円台をつけ、史上最高値を更新した。日経平均株価は先月22日、バブル期の最高値を約34年ぶりに更新したが、その後も上昇は続いている。

生成AI(人工知能)の将来需要を見込んだ半導体関連株の値上がりが、相場全体を牽引(けんいん)している。日本経済を引っ張る「成長産業」という実体を伴うことから、1990年代初頭に破綻したバブル経済とは状況が異なっている。

バブル期には、本来、付加価値の少ない不動産の価格が跳ね上がっていた。価格高騰を見込み、企業や個人も不動産を資産として保有した。金融機関もリスクを考慮せずに融資を続けて、不良債権化した。実体のないマネーゲームに過ぎなかった。

私は当時、「いつか暴落する」と見ていた。銀行から不動産投資の声をかけられたが、断って良かったと思う。安易に手を出して、悔し涙をのむ人を何人も見てきた。

私は「バブルかどうか」を見極めるポイントの1つとして、新幹線のグリーン車の混み具合を見ている。バブル期は、常に満席だった印象がある。当時は、国民は手元にお金が余っていたため、割に合わない高額な商品やサービスを求めていた。

最近は、グリーン車が満席になることは珍しいようだ。物価高の影響もあるのか、日本人は生活レベルを上げておらず、低価格な商品やサービスを求めている。これは明らかな違いだろう。

バブル崩壊後の日本は、低成長に悩むようになった。新興企業や革新的ビジネスが生まれにくくなった。企業は多くの内部留保を抱え、家計も自粛ムードになって、経済全体の循環が滞ってしまった。

日本銀行の「資金循環の日米欧比較」によると、家計の金融資産のうち、日本は「現金・貯蓄」が54・2%なのに対し、米国は12・6%しかない。一方、「投資信託」と「株式等」合わせると、日本は15・4%で、米国は51・3%となる(2023年3月末現在)。多くの金融資産(貯蓄)はこのように経済成長に利用できなくなっている。

私は、うまくやれば株価が今後も上昇するとみている。「失われた30年」を経て、日本経済がようやく「復活するチャンス」が来ていると思う。ただ、成長を軌道に乗せるためには課題も残っている。

米国では、一般の人が経済価値が増えない資産(貯金)を投資信託や、公開株式に分散投資をするため、株式市場の動きに一喜一憂する。

私は、幸福な人生を送りたければ、「現代の資本主義社会の中でいかにして自己資産を築いていくか」という重要課題をクリアする必要があると思う。

詳しくは、私が2022年出版の自著『ケント流お金をふやす鉄則』(ワック)に書いているので、読んでみてほしい。

日本でも、新NISAなど、新しい金融商品が出てきている。寝ている資金のある人は貯蓄だけでなく、株式購入や投資に回すことを考えた方がいい。資本主義は、一人一人の参加で成り立つものだ。

岸田文雄政権も「増税・負担増」路線は見直した方がいい。経済を成長軌道に乗せるには、国民に株式購入などの投資の資金を残すために「減税」に踏み切るべきではないか。経済を回す仕組みを壊してはならない。

ケント・ギルバート

米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『強い日本が平和をもたらす 日米同盟の真実』(ワニブックス)、『いまそこにある中国の日本侵食』(ワック)、『わが国に迫る地政学的危機 憲法を今すぐ改正せよ』(ビジネス社)など。

ケント・ギルバート「ニッポンの新常識」(zakzak)

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