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ダビデ・バルブシア著
ニューヨーク(ロイター) – バンガードの幹部は月曜日、最近の米国のデータと物価上昇圧力が再び高まる世界的なリスクを考慮すると、投資ポートフォリオのインフレ対策を強化することは価値があると述べた。
世界第2位の資産運用会社で金利担当のグローバル・ヘッドを務めるロジャー・ハラム氏はウェビナーの中で、中東情勢の緊迫化によって輸送コストや原油価格が上昇する可能性があるため、海外投資家にとってもこの戦略は検討に値すると述べた。
「現在、ポートフォリオ内のインフレ保護のレベルを高めることは魅力的だと考えている」と同氏は述べた。カーブのフロントエンドにある国債インフレ保護証券は特に魅力的だ」と同氏は付け加えた。
投資家が2024年の連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ幅に対する予想を変えたため、頑強なインフレの兆候が今年、米国債利回りを上昇させた。利回りは物価に反比例して動く。
バンガードの基本シナリオは、米国経済の「先送り着陸」である。つまり、経済成長は続き、インフレ率は連邦準備制度理事会(FRB)が望むよりも高くなるが、中央銀行が再び利上げを行うほどには高くならない、というものである。
このようなシナリオは、FRBが利下げに踏み切った場合、高い金利収入と潜在的な値上がり益が得られるため、社債や米国債の投資家にとってプラスに働くだろう。
しかし、インフレの反動や経済成長の鈍化といった「テール・リスク」も伴うと、バンガードのクレジット部門グローバル・ヘッドのクリス・アルワイン氏はウェビナーで語った。
「ソフトランディングやサイクルの延長というテーマがいずれ一巡し、再加速か浅い景気後退に移行するため、我々はクレジットに対してまだ建設的だが、非常に慎重である。
バンガードは、インフレと経済成長が今後数ヶ月間、国債利回りを牽引し続けると予想しているが、11月の米大統領選挙を控え、米政府の財政赤字と債務負担に対する懸念が高まる可能性がある。
「大統領候補のいずれかが財政拡大を掲げて選挙戦を展開することになれば、そのことが市場に大きく影響すると考えている」とハラム氏は述べ、それが債券利回りを押し上げる可能性があると付け加えた。